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執筆者の写真竹内 明仁

「人の成長を願う大家族主義経営」

先日徳島市にある西精工(株)さんへ企業訪問させていただきました。

ナットを中心としたファインパーツと呼ばれる高精度・高品質・極小の製品の設計・製造・販売を手掛けている会社です。

今までに、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」「日本経営品質賞」「おもてなし経営企業選」「ホワイト企業大賞」などを受賞して来た中小企業のお手本となる会社です。


やはり、"いい会社”と言われる企業には共通の風土があります。

見学当日会社へ伺うと、社員さんたちの笑顔と気持ちのよい挨拶で出迎えられ、今回の見学者の会社名を綴った歓迎ボードが掲げられていました。会議室の参加者の席上には来社の感謝カードとマスコットキャラクターの「ナットくん」が…。


参加目的の目玉の一つである朝礼は大体1時間かけて毎日行われているそうです。

内容は「西精工フィロソフィー」の中からひとつのテーマを選び、それに沿って具体的な考え方や行動について、社員さんがどう思ってどう行動するのかをどんどん質問することで意見を求める形で進められていきます。

その進行状況にはリズムがあり、社員さん全員を巻き込む力が働いています。

また、ひとつの意見を中途半端に妥協して次へ進むのではなく、消化不良はその場で解消する姿勢が強く出ています。

納得できないことがあれば放置しない。それぞれの意見をよく聴き、否定しないで承認する。質問によって意見を引き出す。私も強く意識しているファシリテーションの機能を活用している点には驚きました。


工場見学では危険防止のための標語が分かりやすい言葉で随所に見られ、“ヒヤリハット"防止や5Sにも力を入れている様子が窺えます。


個人的に感じた様々な印象をひと言で表現すると、西社長は「社員さんの成長を後押しすることが自分のミッション」と考えているのではないかと思いました。

「社員の幸せが、社長である私の幸せです」と宣言している西社長。

社員さんが幸せになるには個人的な成長が不可欠と考えれば最も自己成長できる場が仕事であり、仕事を通じて成長できる仕組みをつくることが結果的に社員さんの幸せに繋がる。

そのための手段として、徹底的な理念経営を推進している気がします。

それもコミュニケーションという最優先事項を“対話型”にしながら。


それは、家族がそれぞれの役割を果たしながら成長していくプロセスと重なるのです。

本来の家族間の在るべき姿を思い浮かべれば、人間尊重・奉仕の精神・相互信頼関係・家族の安定・深い愛情等が脳裏に刻み込まれています。このバランスの違いが“家風”に表れるのではないでしょうか。


“家風”があるように"社風”もあります。

だから大家族主義経営なのではないか?

それも以前は「家父長型大家族主義経営」と呼ばれるものだったのに対して、時代の変遷と共に現在では「人間性尊重型大家族主義経営」と呼ばれるものへと進化していることに妙に納得できるのです。


ここに大きなヒントが隠されているように思えてなりません。

人間が本来持っている4つニーズと言われる「生きること」「愛すること」「学ぶこと」「貢献すること」が全て濃縮されているのが家族であると考えた場合、これを企業にも転換する日本型経営に光を当てていくことが、結果的に今後も永続・発展する会社をつくることになると確信しています。





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