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執筆者の写真竹内 明仁

~今後の組織開発の展望-続編

前回の記事で紹介した『発達指向型組織』について続きをお伝えしようと思います。

先ずは1.の【発達への強い欲求】の内容を復習しましょう。


1.【発達への強い欲求】大人としての成長。弱さは財産、失敗はチャンス。正しい原則に従う。組織の目標と個人の能力の発達は一体。

1.は「自分の成長+他者の成長=みんなの成長」の数式が価値観。言葉を変換すれば、「会社を成長させるためには、自分を成長させ、他者の成長を支援しなくてはならない」そのためには自分の弱さや経験不足を認めることが個人と組織の成長のカギと捉えています。

「人は自分の弱みや失敗を隠したがる。その露呈を恐れて仕事を進めることが果たして価値を高める結果になるのか」という問いから来ているのでしょう。思い込みや固定観念から抜け出すにはマインドセットが必須。それには他者の力も借りないと難しい場合が多いですね。但し、不要なプライドを捨てたり、恥を忍んで勇気ある行動を取るには、それらを打ち消す仕組みが必要です。


1.を習慣化するための取り組みが下記になります。

2.【発達を実現するための慣行】安定を崩し、次のステップへ進む。仕事と本当の自分のギャップ埋める。分析や計画より個人やグループが抱えている問題解決への時間の投資。人の内面へのマネジメント。

ここでは、「痛み+内省=進歩」のための仕組みが構築されています。例えば、全ての会議は録音して誰でも聴けるようにする。タブレット端末で社員の行動に対するフィードバックを行い、全員がそれを読める。ミスや失敗、問題について疑問やデータを記録して診断する。これも全員にオープン。社員の人物像、得意不得意等がデータ化されたカードも全員で閲覧可能。それを必要な協力関係をつくる場合や適材適所の人事に活用。学習と内省のための日報もあり、上司と部下のやり取りが分かる。ここでの認識共有のプロセスも公開。

他には、必ずペアを組んで状況報告し合う朝習慣。ペアは必要に応じて変わる。メンターやコーチ役を含む少人数のワークショップ。問題解決よりも個人の成長を優先する週一の活動。個人の目標や成長が企業全体の何と結びつくかを考えフィードバックし合う短いミーティングを毎日実施しているケースもありですね。


3.【発達を後押しするコミュニティ】特権が伴わない地位の確立。人材育成には全員参加。みんなが支え合う僚友になる。組織文化は全員で構築。

学習と成長を後押しする環境を整えることが大切ですから、この3.が出発点です。

組織文化改革のイノベーションを起こすには、経営トップが自らオープンな態度を取り、自分の弱さをさらけ出す覚悟が必要です。これ、一般的には難しいかも知れません。不要なプライドや階層意識が強い場合は…。但し、大きな改革をする時にはトップから動き出さないと遅々として進まないのが実情です。経営トップに一緒に働く人への“謙虚さ”が求められる理由がここにあります。社員さんを機能や部品としてみるのではなく人間として尊重する。一緒に働く人あってこその企業であり経営者です。


売上や利益という目に見えるものだけを追い求めても上手くいかいない時代。人との関係性に基づく学習と成長に目を向ける企業が成功を掴む時代。目に見えないものへの投資。

先ずは経営トップが率先して自分自身をオープンにし、徐々に仲間を増やしコミュニティをつくる。ここから始めてみては如何でしょうか。


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